2009年10月11日日曜日

景観維持の新たな展開?

先日、広島県の県道に関する裁判がありました。
とてもめずらしい事例だと思います。

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■鞆の浦、埋め立て差し止め
判決骨子
1.広島県知事は、県及び福山市に対し、
公有水面の埋め立ての免許を交付してはならない
2.鞆の景観は美しいだけでなく、
歴史的、文化的価値を有する国民の財産である。
近接する地域の人の景観利益は法律上、保護に値する
3.事業者が主張する埋め立て、架橋の必要性、公共性の根拠は、
調査、検討が不十分で、合理性を欠く
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私がめずらしいと感じたのは、判決骨子の「2」です。
「景観利益が保護に値する」とされることは、
これまで、あまり見かけませんでした。
公共事業(というより社会資本整備)の裁判の場合、
判決骨子「3」は、よく聞く話しですが・・・。

その他、考えなくてはならないことがあります・・・

■事業の反対署名
・人口5000人の地域に対し、埋め立ての反対署名が10万人集まった。
→多くは、観光客などからと思われる。
生活に直接関係無い人の意見は、どの範囲までくみ取るのか。

■地元の賛否
・数年前に、事業の賛否を地元行政が調査したら90%以上が賛成。
・昨年、ある大学が調査したら65%以上が賛成。
→多くは賛成しているように見える。
しかし、時間の経過に伴い賛成の割合が減っていると見るのか、
調査機関の違いと見るのか。

■地元首長
・事業推進派の候補者が選挙で勝っている。
→推進派が勝っているからと言って、
事業を進めることが地元の総意なのか。

「切り口が変われば見え方が変わる」ということだけは理解できます。
難しすぎて、今回の判決の是非が私にはわかりません。

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